平成版「日本のいちばん長い日」で知る戦争を終わらせるための決断

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客席に高齢者の姿が目立つ映画でした。70年前の日本が終戦を決定するまでの緊迫したドラマが描かれます。

太平洋戦争末期の1945年、7月26日に無条件降伏を求めるポツダム宣言をつきつけられ、更に8月9日にソ連に参戦され同日2発目の原子爆弾を長崎に落とされた日本。戦争を続けるのか降伏するのか待ったなしの状況で、日本の中心では何が起きていたのかーー。

この映画は予習が不可欠な映画です。
太平洋戦争の知識が無いと何が何だかでしょう。
「聖断」「国体護持」「宮城事件」の意味を知っておいた方が細かいところまで理解できると思います。

私は旧作の岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」を観ていましたので、これが良い予習になりました。
なので、あわせて旧作を日本語字幕付きで観ることをおすすめします。

あと、公式サイトで8月15日以前のストーリーの予習ができるようになっています。
史実なのでネタバレとかは関係無く読んでしまって大丈夫です。結末の15日からは伏せらせていますし。

登場人物も多いですので、これを頭に入れておいた方が理解しやすいでしょう。
ストーリー | 映画『日本のいちばん長い日』公式サイト

感想


平成版「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)は、旧作と比べると全体的にテンションがマイルドに感じました。

特に畑中少佐(松坂桃李)が普通の愛国な熱血漢になってしまっていて、旧作の狂気迫る血管がブチ切れそうな勢いだといかにも悪役という感じなので、どちらも悪役にしないように抑えたのかなと思いました。

あと、ポツダム宣言を受け入れるかどうかで議論する際に会議室の中の話だけであまり戦局の説明が無かったような気がして(原爆が落とされた描写くらいだったような)一刻も早く受け入れないと犠牲がどんどん出ちゃうよという切迫がなく、単なる長い会議になっていたような気がします。
もちろん戦争で多くの犠牲が出ていますので、それは知識として知っている前提が求められます。

一方、良かったのは鈴木貫太郎首相(山崎努)の人物像や阿南陸軍大臣(役所広司)の立場の描写です。
どちらも苦悩して深い覚悟のもとに行動するさまが描かれています。
戦争をやめるという大きなことを押し進めるには、相当な強いハートが必要だったろうと思います。
それをできるだけの人物ということが伝わって来ました。

それから、昭和天皇(本木雅弘)の人間としての思いやりや決断は、昔はあまり多くを描けなかった時代なので、今作ではたくさん登場して良かったです。この方の言葉なら全員が聞き入れるだろうという気品と存在感が素晴らしく説得力がありました。

クライマックスの玉音盤を巡る攻防は、正直なところ旧作の方が面白かったです。
正副2枚作ったのにはわけがあるのに説明なしとは…。旧作の隠し場所が見つかりそうになるのは脚色だったのでしょうか。でも新作で放送局の女性が活躍するのは良かったです。

映画が終わって思ったのは、「命をかけて」戦争を終わらせてくれた人たちがいたから、今の平和があるのだということです。

もし、あなたが何かを「決断」しなくてはならなくて胃がキリキリしているとしたら、この映画を是非ご覧になってください。
命をかけた決断の前では、それはちっぽけな悩みのように感じられることでしょう。

映画公式サイトはこちら
映画『日本のいちばん長い日』公式サイト

予告編です

原作のKindle版がセールで199円です(期間限定のため価格をお確かめください)

この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

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