「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は経済ネタで笑える貴重な映画

お役に立ったらポチっとな

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

アメリカのサブプライムローン問題を題材にしたノンフィクションを原作にした映画ということで、当時興味を持って経済ニュースを読んでいた(けど素人です)ので観に行ってきました!


「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、第88回アカデミー賞の5部門にノミネートされて注目を集めていました。
結果としては、脚色賞を受賞しました。

「脚色賞」とは、小説や舞台などの原作から起こされた脚本に対しての賞です。
(オリジナルの脚本に与えられるのが「脚本賞」です。)

原作はこちらの「世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち」です。

マイケル・ルイスは映画「マネーボール」の原作「マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男」の著者です。
そのため、この映画の原題は「The Big Short」なのですが邦題は「マネー」で始まるタイトルになったのだと思われます。

どんな映画?

2000年代半ばのアメリカは好景気に浮き立っていた。不動産の価値がぐんぐん高まり、住宅が飛ぶように売れる好循環。しかし、そこには恐るべき落とし穴があった。突如”バブル”が弾け、あのリーマンショックが勃発したのだ。それはまるでディザスター・ムービーのように、世界経済を大混乱に陥れた金融パニックだった。

リーマンショックの裏で本当にあったストーリーをエンターテイメントに仕立てた作品です。

4人の個性的なトレーダー


マイケル・バーリ(クリチャン・ベール)はヘヴィメタ愛好家で、スーツを着ずにTシャツ短パン姿。彼が住宅ローン商品に潜む暴落要素を見抜き、銀行に暴落した場合に保険金が支払われるCDSの話を持ちかけます。
演じたクリチャン・ベールはアカデミー助演男優賞にノミネートされました。

ジャレド・ベネット(ライアン・ゴズリング)はマイケルの動きに気づき、自分たちもCDSをしようとマークに持ちかけます。映画の中では主人公的な立場で、モノローグが出て来ますが、影はちょっと薄いかも。

マーク・バウム(スティーブ・カレル)たちは住宅地を実際に訪れてみて、返済能力が無い人たちがとんでもないローンを組んで住宅を購入していたり、ローンが支払えずに住人が逃げてゴーストタウンになった住宅地の実態を知り、格付け会社を疑います。
兄を自殺で失ったことを悔いていたり、心の葛藤が最も描かれていた人物です。

ベン・リカート(ブラッド・ピット)は謎のコネや影響力を持つ元バンカーですが、ジェイミーとチャーリーの若手2人組に頼られて、この賭けに乗ることに。
一番面白いキャラクターで、「コロンクレンジング(腸内洗浄)に行く予約があるので」と若手2人組を断るところなど笑えました。

楽しむための前提知識


MBS(モーゲージ債)、CDO(債務担保証券)、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)については、あらかじめ概要だけでも理解しておいてください。

実はこの映画は前提知識のハードルが結構高めになっています。

何も知らずに見に行ってしまうと「よく分からない単語を緊張感を持って話していたけど何だったんだろう」という感想になる可能性があります。

ストーリーがお金や金融商品の話なので、内容が良く分からないと画面にそんなに変化があるわけではありませんので、退屈になってしまいます。

なお、面白いシーンもあって、上記の用語などを無駄に豪華なキャストで分かりやすく説明してくれる箇所もありますが、全てを知っている人がギャグシーンとして観る用だと思います。
ここで、初見で知る場合に、どれだけ理解が進むのかは不明です…。

私はサブプライムローン問題があったころにテレビの池上彰さんの番組などから仕入れてそこそこ知識があり、構造がなんとなく分かっていたので、楽しめました。
この程度の浅い知識でも大丈夫です。

感想


金融や経済ネタで笑える貴重な映画です。このテーマが好きな人は絶対に観てください。

冒頭の昔懐かしい映像などで、アメリカ国民は当時をふり返ることも楽しめると思います。
日本人が分かるのはiMacの発売とかですかね。

また「常識を疑うことの大事さ」が分かるところが、この映画の良いところです。

大手銀行でエリートそうな人はCDSの話を持ちかけられると、「この人たち頭おかしいんじゃないの?」と思い「でも、バカからお金を巻き上げておこう」という感じで取引をOKします。

この時に、「変な話を持ちかけるものだな、何かあるな」と思って、自分でも調べていたら罠にはまらなかったかもしれません。

映画は業界の反逆児側から描かれるので、エリート層がこてんぱんになる痛快さも楽しめます。

将来は金融系に進もうと思っている若い方も是非ご覧になってみてください。

▼公式ページ(上映当時のサイトはクローズしたのでパラマウントのDVD公式でどうぞ)
映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』DVD公式サイト

▼予告編です

この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

お役に立ったらポチっとな

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

最新情報はフォローしてね♪