地元愛が支えるクールジャパンエンタメ「ひろしま神楽」の世界

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未見のエンタメに突撃レポート!日本の伝統芸能である神楽(かぐら)の楽しさをご紹介します。


ひろしま神楽ブロガーツアーのお誘いをいただいたのは2月下旬のことでした。
「ぜひ、しゅうまいさんにご参加いただきたいのです!」と言われたら断れませんし、「神楽」というキーワードが好奇心を刺激しました。

ブログ名に「neophilia(新しい物好き)」と掲げているだけあって、私は新しい技術や製品が好きです。
しかし、「OLD IS NEW」ですよ。長く続いてきた伝統があるものにも興味があります。
自分がまだあまり知らないこと全般を知ることが何よりも楽しいのです。

知らないことを知る前から自分にはあわなさそうとか思わずに、間口を広くしていると、楽しいことをどんどん引き寄せられる気がします。

というわけで、関東(成田)から広島に一路、飛行機で飛び立ってきました。
(LCCの春秋航空を利用。飛行機についてはまた別途記事にします)

神楽とは


神楽の起源について一番ロマンのある説は、神話の世界でアマテラスが閉じこもる天岩戸のお話でアマノウズメが舞った舞にさかのぼれるとするものです。
自然や神への感謝を舞という形で奉納するのが神楽です。

私が知っていた前提知識はこれだけでしたが、目の前で観るド迫力の神楽は、私のおぼろげな神楽観を全くひっくり返してしまいました。前提知識はあまり要りません!

今回訪れたのは広島県の安芸高田市で、「芸北」と呼ばれる県北部の地域です。
神楽がとても盛んな地域で、子どもの頃から舞や楽器の練習をしている人も多いそうです。
安芸高田市内には22もの神楽団が存在し、芸北神楽(ひろしま神楽)は、地元の方の熱意で伝承されています。

神楽は宿泊先の「神楽門前湯治村」にある劇場「かむくら座」で鑑賞しました。
※宿については別途詳しく書く予定

神楽は派手派手きらびやか


まず1つ目は「鍾馗(しょうき)」を観ました。

鍾馗様といえば魔除けの神様で端午の節句に飾る地方もありますが、神楽のストーリーでは須佐之男命(すさのおのみこと)が中国に渡って鍾馗大臣と名乗って病魔を退治するというお話になっています。

このスサノオは顔が見えない長い前髪が特徴で、茅の輪(ちのわ)と剣で大疫神に立ち向かいます。
舞台右側ではミュージック担当の楽人が舞の内容にあわせて音楽を奏でます。

左の大疫神(鬼)とスサノオの対決シーンは超高速すぎてブレててすいません…。
予想以上に軽快に動き回るので身軽さにびっくりしました。

アイススケーターみたいなスピード回転で、衣装のすそが飛んでいます。
神楽ってもっと大人しめかと思ったら、めっちゃ激しい!ということが分かりました。
鬼は登場シーンでもキレッキレの動きで、演者のダンサーとしての熟達ぶりが光りました。

スサノオが勝利して舞が終わると、衣装の体験コーナーがあり私も鬼になってみました。
神楽では悪い役ほど派手な衣装なのだそうで、鬼が一番きらびやかな衣装になります。

ここで、衣装を羽織ってみて、あまりの重量に驚きました。10kg以上はあるらしいです。動けません。

しかも、鬼の面は視界も良くなくて、これを着てこれを付けて舞うなんて、本当に大変だと思います。
神楽ダンサーズすごすぎます…。

衣装を着ての記念撮影は人気で順番待ちな感じです。

変化や派手なエフェクトが楽しい


2つ目は翌日午前中に「土蜘蛛」を観ました。

こちらは侍女に化けた土蜘蛛が源頼光を襲うが、頼光の四天王である卜部季武と坂田金時にやっつけられるというお話です。
蜘蛛なので蜘蛛の糸をバーッと散らすシーンがあります。

また、侍女の姿から徐々に鬼の姿に変化していきます。
①は人間の侍女の姿ですが②で面だけ鬼になり(ツノが生えてます)③で大きな鬼になりました。
(3枚の写真を合成しています)

もちろん、最後に勝つのは正義です!
神楽は勧善懲悪の明快なストーリーが基本で、最後はスカッとハッピーエンドです。

伸び縮みする大蛇がリアル!


3つ目は「伊吹山」を観ました。登場人物が多く、派手なシーンも多いです。

ドライアイスのスモークがもくもくして最前列の観客は隠れてしまっています。
舞台と観客が近い「かむくら座」だから迫力満点。

鬼が出て来て、さきほどと上着の色が異なる(早変わり)正義チームです。
衣装の早変わりは、え?!と思っている間に変わっていたりして、慣れるまでは見破れないかも…。

大蛇が出て来てクネクネ動きます。胴体は自在に伸び縮みする、ちょうちんのような蛇腹構造になっています。
職人さんが手作業で和紙を何重にも貼って、舞台での動きにも耐えられるような強度で作られています。

巨大な大蛇が存在感あるのと動きが本物っぽくて、舞台パフォーマンスとしてかなり面白い内容です。
演目によっては大蛇が何匹も所狭しと登場するものもあるようです。

感想


ちゃんと神楽を観たのは初めての経験でしたが、間近で観ることで写真や動画では伝わらない「場の雰囲気」にのまれました。
これは、演劇やミュージカルも同じだと思うのですが、空間全部が世界なので、写真や動画では一部しか切り取れずに全部は伝わらないのですよね。
なので、このブログ記事でも生の迫力をお届けするのはちょっと難しいです。

私の場合は、最初は耳から、奏楽の笛や鐘の音色で、お祭り気分に持って行かれました。
子どもの頃に神社のお祭りで聴いたお囃子を想像させるので、お祭りにはウキウキして幸せな思い出しかありませんでしたから、自分の中で当時の幸福感がよみがえるかのようでした。

舞の方は、こちらの想像以上の俊敏さと大胆さで、驚きどおしでした。
時に優雅に時に激しい動きで、特に予備知識が無くてもキャラクター毎の特徴が分かりやすかったです。
特に鬼や大蛇の悪役が魅力的で、善役よりも派手なところのバランス感が全体としての面白さにつながっていたと思います。

地元の方は子どもの頃から神楽に親しみ、生活シーンの近くに神楽の存在があるそうです。
観客席には子連れファミリーも多数見受けられ、年齢を問わず楽しめる貴重な伝統芸能です。

こんなに優れたエンターテインメントを一部の地域の方だけに独占させるのはもったいないです。
日本全国から、いや全世界から、芸北の神楽を観に訪れる方が増えたらいいのになと思います。

首都圏からは、こちらの成田→広島空港の飛行機を使ったツアーもあります
ひろしま安芸高田神楽鑑賞ツアー 神楽門前湯治村宿泊 1泊2日(延泊可能) | 安芸高田市

宿泊した神楽門前湯治村は、神楽が観られるだけではなく、昔懐かしいレトロな街並みを再現したテーマパーク型の施設で、露天風呂のある天然ラドン温泉にも入れます。

また、今回のプレスツアーでは特別に練舞場などを見学させていただきました。
神楽の裏側にせまる記事はこちらに書きました
ひろしま神楽の秘密&歴史あれこれアット安芸高田市

一緒に行ったブロガーさんのレポです
神楽にかかわる一人一人を見てほしい!伝統芸能「安芸高田神楽」の舞と音に圧倒されるだけではもったいない! | Co-NAVI(子ナビ) – 親と子どものための情報ブログ
ひろしま神楽「土蜘蛛」「伊吹山」 | yocco

この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

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