相貌失認のNAVERまとめが脳科学者の池谷裕二氏にも届きました
私が作成した人の顔が覚えられない「相貌失認」について知ってください – NAVER まとめが脳科学者の池谷裕二さんに捕捉されコメントをいただきました。そして、池谷裕二さん自身も相貌失認ということを知りました。
池谷裕二さんも相貌失認だった
私のまとめを読んでいただけて嬉しいです。
このまとめサイトいいですね!先天性相貌失認は人口の2%。多くは遺伝。父も私と同じ症状。人に会うのが億劫だから内向的になりがち。ぜひご理解を!座席は固定&名札が嬉しいですが少数派なんですよね。RT 顔が覚えられない相貌失認を知って→matome.naver.jp/odai/213591162…
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
池谷裕二さんの連続ツイート
先ほどの、奇妙な症状「相貌失認」についてのツイートに反響いただきましたので、『脳はこんなに悩ましい』の該当箇所から抜粋し、連続5ツィートします。
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
池谷「実は私自身が、先天性の相貌失認症なのです」 中村「ええっ!(略)顔がわからなかったら、どうやって人を区別するの?」 池谷「目や口元、髪型などかな。体格や仕草や声色も含めれば、顔以外の手がかりは多くあります(『脳はこんなに悩ましい』より。1/5)
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
池谷「多くの患者は症状に無自覚です。かくいう私も脳研究を二十年続けて、自分が病気だとわかったのはわりと最近です」 中村「脳の専門家でもそうなんだ」 池谷「振り返れば納得できるヒントは過去たくさんありました。」(『脳はこんなに悩ましい』より。2/5)
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
池谷「たとえば小学生の頃から毎年、新学級のクラスメイトの顔と名前が一致するのに三カ月くらい。つまり、やっと覚えた頃に、夏休みでした。ただ私は、周りの皆も同じだと思っていたのです。」 中村「やっぱり顔が識別しにくいんだ」(『脳はこんなに悩ましい』より。3/5)
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
池谷「道端の石コロに名前が付いていて、微妙な形を区別しながら覚えていくといえばイメージが湧きますか?五回くらい繰り返し会えば、だんだんと識別できますね」中村「それは大変な作業」(『脳はこんなに悩ましい』より。4/5)
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
池谷「私が人の顔をジロジロ凝視する癖があるわりには、名前をよく呼び間違えるのも、おそらく、そのためです。人数が多いので、もっともっと世間に認知される必要がある症状だと思っいます。周囲も「まだ自分のことを覚えてくれない」と傷つきますしね」(『脳はこんなに悩ましい』より。5/5)
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
「先天性相貌失認」は、赤色が認識できない「色覚マイノリティ」と同じで遺伝ですから、努力ではどうにもなりません。症状を隠すよりも、むしろ開示したほうが互いにメリットがあることに気づき、昨年から名刺にも表記するようにしています。池谷裕二
— 池谷裕二さん (@yuji_ikegaya) 2013年2月22日
人の顔が石ころのように区別がつきにくい
人によっては失礼に感じるかもしれないけれど、「道ばたの石ころの区別がつきにくい」というたとえは、この症状を伝えるのに的確だと思います。
顔が覚えられないというのは、別に人の顔の美醜が分からないわけではなく、区別がつきにくいというだけなのです。
メガネの人が一人だけだと覚えられますが、似たような黒ブチメガネ男性が5人参加とかの会もあるわけで、こうなると区別が難しくなります。
あと、顔が整っている人も覚えにくいです。綺麗すぎて記憶のトリガーになるひっかかりが無いので、するっと忘れてしまいます。覚えているのは「美人だったけど」という曖昧な記憶のみ。
女優やタレントできれいな人は、私の中ではごちゃ混ぜになっています。
だから、イモトアヤコみたいな特徴のある人は大好きです。
普通の人でも双子の赤ちゃんを見分けるのは難しいことがありますよね?
その困難さがもっとひどくなったもの、と考えていただくと分かりやすいかと思います。
相貌失認は色覚マイノリティと同じ
相貌失認は赤色が区別できない色覚マイノリティと同等である、という言葉には本当に救われる思いです。
人の顔が覚えられないことによる不利益はたくさんあります。
しかも、その殆どが「人間関係」に関するものです。
「近くを通ったのに無視された」
「顔を覚えてもらっていないのは自分に興味が無いからではないか」
「お客様の顔を覚えようとするやる気が無い」
etc
このような誤解をされることは悲しいことです。
「人口の2%くらいの人は、顔を覚えるのが脳の仕組み上どうしても苦手である」
この事実を、広く知ってもらい、理解が深まることを願ってやみません。
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