スマホだけで綺麗な写真を撮るには?フォトグラファー三井公一さんに学ぶ
iPhoneだけでブログを書くこともあるのでスマホ写真が上手になれたらなと思っていたところに、プロ写真家の三井公一さんから教えていただけるという絶好の機会が訪れました。
ブロガーとしていつもお世話になっているアジャイルメディアネットワークの主催で「スマートフォンを中心に撮影技術を学ぶ 〜iPhonegrapher 三井公一氏を迎えて〜 ブロガーレベルアップ講座 第4回」が5月19日に開催されました。
講師の三井公一さんは写真家歴30年以上のベテランですが、カメラだけでなくスマホ写真に早期から注目していた方です。2007年にスティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したその場にも居合わせたそうです。iPhoneは新しい機種が出たら毎回購入という徹底ぶりです。
三井公一さんのサイト「iPhonegrapher」ではiPhone写真が1日1枚公開されており、スマホで撮ったとは思えない美しい写真を見ることができます。
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ブロガーの写真はここがいまいち
そんな三井さんがブロガーの写真を見た感想は「仕上がりをイメージして撮っていない」ものが多いと気づいたそうです。
確かに、私もイベントなどで写真を撮るときはとにかく取り漏れが無いようにおさえようという意識ばっかりで、後でトリミングすればいいや〜という適当な時もあります。
でも、三井さんは紙媒体の右のページと左のページどちらに載せるかも含めて、撮影時に仕上がりまで考えて撮っているそうです。
最終成果物のことを考えて作業をするのはどんなことでも共通ポイントのはずですが、ブロガーはあとで加工すればいいやと思ってしまいがちです。
「ピクセルを無駄にしないで写っているものに責任を持つ」という心がけを私も持ちたいものです。
iPhoneでもいい写真は撮れる
スマホで写真を撮るときには、とにかく「手ぶれをしないこと」が大事!ということで実例をスライドで示されたのですが、ピタッと止まり手ぶれをしていない写真はスマホ写真であっても拡大してもキレイなのです。
手ぶれはあとから画像加工アプリでも直すことができませんから、とにかくブレずに撮ることが大事で、必ず両手でホールドして可能なら膝や壁で手を固定させると良いと教えていただきました。
▼海辺の風がある場所では膝も使ってしっかり固定
また、ボリュームシャッターは押し込むことで手ぶれの原因になるため使わないそうです。
スマホのカメラは室内など少しでも暗い場所ではシャッタースピードが遅くなり、手ぶれの可能性が増してしまいます。
他にも、ピントあわせや適正な露出の設定など、意識すべきことは結構多いです。
いい写真は構図とアイデア
スマホという制約のある撮影環境で人と差をつけるとしたら、構図が大事という説明もありました。
「日の丸構図」だって安定するから悪くないし、撮ってから別の構図をバリエーションとして撮影していけば良いとのことです。
▼なにげない日常の風景でも構図次第で
なお、本当に物と正対してシンメトリーに撮影するのは案外難しいものだそうです。
特にiPhoneはカメラのレンズの位置が本体の中央にありませんので、適当に撮ると真正面からは撮れていないものになってしまいます。
そのために、中央をビシッとキメたい構図の場合は、タイルの数を数えるなどして本当に中央がどこかを見極めて撮影するという手間を掛けるというお話を聞いて「これが仕上がりをイメージして撮ることか」と感心しました。
実習と講評
講座では実際に自分のスマホで写真を撮って講評していただける時間がありました。
撮影するのは人物です。(私のチームはAMN中山さんがモデルさん)
この時間で、私は普段ガジェットや家電など物ばかりを撮っていて、人物を撮るということの経験が決定的に欠けているのだと身に染みました。
人間は動きますし、表情も変えるし、リクエストすればポーズも変えてもらえます。
他の参加者さんは構図なども工夫していてセンスが良い写真がたくさんあり、同じ条件でも撮る人によって全然違うものになるのだなと分かり興味深かったです。
最後の質問タイムでは家族を良い感じで撮るにはどうしたら良いかという質問をしました。
三井さんからは、旅行先などかしこまった写真だけではなく日常も撮ってあげると良い表情が撮れるという回答をいただきました。
感想
とにかく色々な面から参加して良かった!と何度も思わされた、講座でした。
三井公一さんのお話やスライドは、長くて豊富な経験から導き出されたものでしたが、大事なことはシンプルな基本でした。
でも、教わったこと全部をいっぺんに自然に意識するのは、かなり修練を積む必要がありますね…。
私も最初の手ぶれに気をつけるところから頑張っていきたいです。
あと、この講座は受講者がみんなブロガーというところも楽しかったです。
既にカメラがセミプロ級の人から、写真をネタで勝負する人もいて、とても個性豊かでした。
▼三井公一さんの「iPhonegrapher」はiPhone写真が1日1枚公開されています
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