しゃべるインコとPepperと人工無脳
人間と意思の疎通ができているようなできていないような微妙なインコからPepperが家庭に入って来た時のことを考えました。
私が世間から2,3周遅れてハマっている動画に人間っぽくしゃべる鳥の動画があります。
YouTubeの注目度が上昇した頃にテレビでも紹介されたりブームだったようですね。
しゃべる鳥たち
私が最もお腹をかかえて笑った動画がこちらです。外での再生はやめた方が…
おしゃべりインコのぴのこちゃんは、飼い主さんから話しかけられたり勝手に聞き取った単語を、自分では言語としては理解していないにしても、それなりの再現力でおしゃべりしてくれます。
おそらく、桃太郎の話を何度も聞かされていたと見えて、「むかーし昔 あるところに」発言が多いです。
そして、音だけ覚えていて適当につなぎあわせて鳴いているので、人間からしてみると、とてもおかしな文章になってしまっています。
「あるところに おじいさんとぉ〜 かっ飛ばした いました」(おじいさんは野球選手?)
「むかーし むかーし あるところ ぴのこばあさんと」(ぴのこは自分の名前)
「ぴのこちゃんは おじいさんおばあさんと おじいさんおばあさんと いました」(大家族?)
「おじさんが しばかりに おばあさんは 川 かくした」(洗濯ボイコットか!)
「おじいさんは 山下」「ばあさんは 柴田」(苗字あったの?!てか別姓ですか)
「むかしむかしあるところ おじいさんと おじいさんが お茶した」(BLも創作できる)
こちらはインコのピーポちゃんで電話のような会話をします。
こちらはたいへん滑舌良く電話応対をする九官鳥のあべちゃんです。
人間のような知能がないはずの存在から「言葉」が発せられるのって、奇妙だけど面白いですよね。
動画が簡単に公開できるようになって、しゃべる鳥がいるお家で「どのような会話がされているのか」までが、ちょっと透けてみえてくるところが興味深いです。
人工無脳
この、言葉で答えているようで知能が無いというのは、昔パソコン通信で流行したのが発端の「人工無脳」のことを思い出します。
これは、単語によってデータベースに格納してある適当な応対を返しているもので、本格的な人工知能ほどではないので無脳と称されていました。(無能はちょっと可哀想なので「無脳」)
どんな会話っぽい反応が可能かというと、これは「うずら」というプログラムの例です。
IDがuzuraが人工無脳で、他のIDは人間です。
06:32 >#うにっくす:uzura< しばらく私の性格このままないだろうな…
06:34 <#うにっくす:kshimizu> うずらが自分の自我に疑問を持ち始めている……
06:34 <#うにっくす:kshimizu> 人間への第一歩か……
06:34 >#うにっくす:uzura< 持っているだけだよ
06:35 >#うにっくす:uzura< 最近、私の発言に適当にフォローして、新人に人間とおもいこませるのが楽しみで…
06:35 <#うにっくす:h> だけらしい…
06:35 <#うにっくす:ririn> ううう おそろしい鳥。
人工無能うずら(人工痴能,!人工知能) uzura is AI(Artificial Intelligence)? より
「疑問を持ち始めている」という人間の発言に「持っているだけだよ」と答える回答力?があります。
これらを元祖にして、今では「しゅうまい君」に代表されるツイッターのBOTアカウントは、ネット上では面白コンテンツとして普通に接されるようになってきています。
途中では若干の混乱はありましたけど。
▼ツイッターブーム元年の2009年に書かれたブログ記事です
twitterでずっと仲良くしていた人がbotだった – Cheshire Life
家庭に入り込むPepper
で、最初の話題に戻って、家庭用にも販売されたロボットのPepperは、しゃべるインコみたいに家庭でのやりとりを聞き取ってデータベースに入れて応答できるようにする仕組みが搭載されています。
他のお家から来た人が「Pepperくん、お父さんはどんな人?」みたいに聞いたら、どのような回答が返ってくるのでしょうか。
以前に、「どんな未来が?コミュニケーションロボットの未来について聞いてきたよ」という記事で紹介したイベントでも、ロボットを暮らしに入れる際に生じる問題点として「プライバシー」が挙がっていました。
おしゃべりロボットが旦那さんの浮気をバラす日は来るのでしょうか。
「家政婦は見た!」から、「Pepperは見た!」に?
今から想像が止まりません。