文化庁メディア芸術祭受賞作品「どうでもいいね!」を作ったIDPW(アイパス)という謎の集団
文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞受賞作品「どうでもいいね!」はFacebookのいいね!ボタンを自動連打してくれるChromeブラウザ拡張です。2月17日に製作者のIDPW(アイパス)の方のお話を聞ける受賞者プレゼンテーションを聞いてきました。
作品概要
2004年の「Web2.0」宣言からはや8年が過ぎ、ウェブサイトからブログへ、ブログからツイートへ。
私たちの社会(ソーシャル)はウェブの進化とともに小さく軽く進化してきた。
そして今、超低解像度の情報しかもたないFacebookの「いいね!」ボタン(投稿されている内容に対して、このボタンをクリックすると評価を共有することができる)が、驚異的な生命力で繁殖しインターネット中に溢れはじめている。
いいも悪いも義理もとっておきも全部まとめて「いいね!」したい。
そんなあなたにお届けするこの『どうでもいいね!』ボタンは、ワンクリックで画面上に表示されている「いいね!」を自動でだいたい全部をクリックしてくれる、Google Chromeの機能拡張である。
(資料より)
IDPW PORTO ← 「どうでもいいね!」の実物はここから「INSTALL」ボタンを押すと導入できます(Chromeのみ)
IDPWとは
”「100年前から続く、インターネット上の秘密結社」として「インターネットが降臨する場」を作る活動を行う任意団体。”
とのことでした。
100年前って…。
登場したのは、覆面を付けた怪しい男。(ともう一名は普通の男性)
最前列じゃなかったので、写りの悪い写真しかありませんが。
ここはミッドタウンではなく、ロフトプラスワン?という雰囲気が漂い始めました。
次に表れたのは、「リアルインターネットおじさん」
この人は全身タイツで登場。
もう、、、たくさんある受賞者プレゼンテーションからこれを選んだ私は偉い!
そして、モデレーターはクリエイターの中村勇吾さん。
IDPWの活動紹介
IDPWは、何やら楽しげでむちゃくちゃなPartyを何度も開いていました。
#000001 は「手食い」の会。
スマホ時代の食事のあり方は、おかず(コンテンツ)に直接タッチだ!ということらしいです。
納豆を食しているところの写真は見たくなかったです…。
#000002 は「サンバ教室」
といってもサンバを教えてくれる先生が不在なので、Google+のハングアウトで募集したところ、世界500人以上の人とビデオチャットができたそうです。
外国人の中には全裸の変態さんもいて…。
ここで、「普通全裸でインターネットしますかねぇ?」という問いに、「スマホを風呂で使うから」と返した中村さん。
確かに、今やネットはお風呂でも繋がっている時代。
身体性とインターネットの関係にも変化が。
#000004 は「K-RAW」(敬老)
老人になるとはどういうことか?を体験する会。
視界を狭めるゴーグルを装着して、重りをつけた状態で、カラオケ。
しかも、スモークをたいて曇っている中で、スクリーンの歌詞の字幕はピンぼけで読めない状態という。
「スクリーンと眼球の間には空間がある」ということを実感されたそうです。
そしてイベント「インターネット ヤミ市」
この怪しげなフリーマーケットに集まった商品は、3Dデータ付きの岩石や、今や懐かしいスペーサーGIF(ホームページに余白をもうけるために置かれた透明な画像)、インターネットどら焼き(ブラウザのロゴマークが付いているどら焼き)など。
このイベントは今年も実施予定だそうです。
どうでもいいね!ボタン
受賞作品の「どうでもいいね!」ボタンは、「ささやかな抵抗」として作られたそうです。
IDPWは「失敗できる場所でいよう」が合い言葉。
いつか何かが生まれてくるかもしれないから。
そして、IDPWによる中村勇吾さんへの勧誘と、IDPWネームが「Brick Dolphin」に決まったところで、時間がおしまいに。
感想
こういうノリのイベントは結構好きです。
一見変なことをしている人たちって、考えていることはすごく面白いんですよ。
人が考えないことを考える人、そしてそれを実行する人、大好きです。
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