情報発信って誰の何のため?行政・地方自治体の立場から経験をまとめた本
都道府県の魅力度ランキングで3年連続最下位な「茨城県」この不名誉なランキングを物ともせず県の魅力アピールに奮闘し続けている人がいます。
私が茨城県広報監の取出新吾さんと知り合ったのは何年も前のブロガー同士の勉強会の場でした。
お住まいの守谷市近辺のおでかけ情報をブログで発信している普通の会社員の方だと思っていたのですが、めきめきと手腕を発揮されて、その後茨城県のPR担当のえらい人に就任されています。
「地方創生時代のための IT を活用した情報発信ガイド」は、その経験をまとめた書籍で、電子書籍とオンデマンド印刷の形で読むことができます。
この度ありがたくご提供いただきましたので、ご紹介します。
内容は以下のような章立てです
【目次】
1. 行政の情報発信について
1-1 情報発信の必要性
1-2 情報発信の目的を整理する
1-3 ターゲットを設定しよう
1-4 ネットに情報を載せる2. 行政が使うべきIT サービス
2-1 IT サービスの種類
2-2 広報紙
2-3 ウェブサイト(ホームページ)
2-4 SNS
2-5 行政のネット動画3. 新しい可能性
3.1 キュレーション
3.2 ブロガーの活用
この本が稀少なのは行政の情報発信についてというピンポイントなテーマで書かれているところです。
通常の企業や商品のSNSでのPR術といった本はたくさん出ていると思いますが、こちらは例えばInstagramは普通の職員が目の覚めるようなプロ級の写真を撮るのは難しいのでスルー推奨という具体的なアドバイスが書かれています。
また「広報紙」についてはデジタルチラシサービスでヒートマップによりどこが見られたのかの解析もしたというIT活用術が紹介されています。
これについて、普段クレームなどの声が大きな人の意見だけを聞くことになっていないか?利用者からのフィードバックを得られるのがITサービスによるフィードバックであるという、担当者によっては目が覚めるような指摘もされています。
それから「いばキラTV」という動画チャンネルの知見も見逃せないポイントです。動画で成功したい地方自治体の方は参考になると思います。動画を作ったらきちんとアクセス解析も見ることで、動画の構成を良くするヒントになるそうです。
なお、いばキラTVにあるがん検診の啓発動画はこんな感じです。
ねば〜る君が検診車に最初は図体の大きさで入れないのですが、車椅子用リフトから入ることができるというストーリー運びも良く、さすがの内容です。
がん検診の受診率を上げるためにここまでしているのってすごいですよね。
ローカルテレビ局が無い茨城県は「いばキラTV」によりネット動画では全国1位となりました。
情報発信をしているつもりでも誰もシェアしてくれないし全然刺さらない…とお悩みの方は一度誰に何のために発信するのか整理してみましょう。
▼行政や地方自治体の方が短時間で情報発信のエッセンスを学べる本です!