顔が覚えられない「相貌失認」私のエピソード

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人の顔が覚えられない「相貌失認」について知ってくださいというNAVERまとめを作ったらすごく反響があったので、今度は私自身のことを書きます。


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前提


まずは前述の
人の顔が覚えられない「相貌失認」について知ってください – NAVER まとめ
をお読み下さい。
こちらには、ネット上に公開されている情報から、顔が覚えられない人についての症状やエピソードを多数まとめています。

俳優という職業が理解できなかった


私の話ですが、小さい頃は俳優という職業が理解できていませんでした。
別のドラマに同じ人が出ていても別の人に見えるからです。
私が初めて俳優を理解したのは小学生の頃やっていたドラマ男女7人夏物語の明石家さんまでした。
あれ?この人は別の番組に出ていたはず。
だって、こんな顔の人は他にはいない。

学校では困らなかったけど水泳教室で困った


私の相貌失認は程度はそんなにひどくないので、毎日同じ教室で顔を合わせるクラスメイトは遅いなりに顔を覚えることができました。
教室は同じ席に同じ人が座るので、あまり間違えることはなかったです。

しかし、通っていた水泳教室では困りました。
水泳教室では度々クラス分けがあり、習熟度に合わせてコーチが変わります。
自分の新しいコーチが発表された後で準備体操をしている間に、コーチが分からなくなることがありました。
同じような水着を着たコーチを見分けるのは顔しかないからです。
服装で判断できないというのはきつかったです。

それでも、そんなに深刻に困ることはありませんでした。
どのコーチの元に行ったらよいのか分からなさそうにしていると、コーチの方から声をかけてくれました。
子どもでしたから。

記憶力低下とともに


私は顔の見分けがつきにくい性質でしたが、毎日同じような顔ぶれと触れる学校時代はそんなに困難なことはありませんでした。
中学高校は制服のある学校でしたが、友達を見分けることはさほど難しくありませんでした。
その理由は記憶力がまあまあ優れていたからではないかと思います。

顔は分かりづらくても、それ以外の特徴を私は記憶することができていました。
服装や持ち物や声といったものです。

しかし、30歳を過ぎて記憶力が低下してくると、私はとたんに困るようになりました。

社会人になってから


就職して社会人になってからも、毎日決められた席に座り、同じような顔ぶれと仕事をする期間が長かったので、私はまだ自分が相貌失認とは気づいていませんでした。
私は複数回会った人で長期記憶に入った人は見分けることができるからです。

私が困難に直面したのは、会社内でのタスク活動に参加するようになってからです。
部門を超えたメンバーで月に1度くらいの頻度で集まる活動がありました。
これは、私には鬼門でした。
月に1度しか会わない人を記憶することは難しく、2回目以降の集まりで私は困ることになりました。

2回目以降の集まりで会議室に入るとき、それが自分が出ようとしている活動の正しい会議室なのか、それとも前の時間帯の人たちが残っているだけで追い出さなくてはならないのか、その判別がつきませんでした。
仕方が無いので、私は会場入りするのが最初にならないように、常に1分遅れくらいで入るようにすることにしました。

オフ会で自分のやばさを認識


時は過ぎ、2009年。ツイッターブームの走りの頃のことです。
私は結構たくさんのオフ会やイベントに顔を出していました。
そこで頻発していたのが、2回目以降に会う人にも「初めまして」と言ってしまっていたことです。
人数が少なければそんなことはなかったかもしれませんが、多数の人を1回で覚えて見分けることは難しかったです。

「初めまして」は3回目以降の人にも言ってしまったことがあります。
後で「あ、なんか前と雰囲気違いますよね?」とか冷や汗かきながら誤魔化しつつ。

そして、ネットを見ているうちに、自分が「相貌失認」と呼ばれる症状にピッタリ当てはまることを知りました。
大人になって、やっと自分のことが分かりました。

今は


今はもう開き直って、「人を覚えるより、人から覚えられる人間になろう」と思っています。
私が大規模オフ会に参加する際には、ツイッターのアイコンと名前を書いた名札をするようにしています。
自分と同様に顔の判別が分かりづらい人も混じっているはずと考えているからです。
もちろん、私の顔を知らなくて、アイコンだけ知っている人にも対応できますし。
また、相手が私の名前が即座に出てこない時には自分から名乗るようにしています。

相貌失認をメジャーに


あと、「相貌失認」という症状を知ってもらいたいと思い、冒頭のNAVERまとめを作りました。
これは公開2日で5万PVを集め、ツイッターでの言及はRTも含めて1,000回以上共有されています。

実のところ、相貌失認という症状は、うっすら自覚している人が多いものなのだと思います。
それを明確に言語化できずに、何となく「顔を覚えるのが苦手」という自分の苦手項目として内々に処理してしまっています。
苦手項目なので、自分が悪いのだと思い込んでいる人もいることでしょう。

世間からも、人の顔が覚えられないのは、やる気が足りないとか、自分に興味を持ってもらえていないからだと誤解されがちです。

私はこの摩擦をなんとかしたいです。

「顔を覚えられない脳のタイプの人もいるんだって」「じゃあ参加者には毎回名札をつけてもらおうか」
そのように考えてくれる人が一人でも増えたらいいなと思います。

相貌失認の方は


もし、あなたが相貌失認の特徴に当てはまると感じたら、ブログでエピソードを披露していただけると嬉しいです。
その際には当ブログ記事にリンクを貼るか、トラックバック(ピンバック)していただけると助かります。
一緒に我々の存在をアピールしていきましょう。

【追記】後日談を以下の記事に書きました。
相貌失認のNAVERまとめが脳科学者の池谷裕二氏にも届きました

【追記2】
なんと、ブラッド・ピットが自身の失顔症(相貌失認)をカミングアウトしました。大変なニュースです。
ブラッド・ピットも顔が覚えられない!失顔症・相貌失認ってどんな病気?

 

この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

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