「電子書籍で読書はもっとクリエイティブになる!」セミナーを聞いてきました
「書籍が電子化されるとなにが変わるの?」「電子書籍で読書をクリエイティブにする方法は?」まだ電子書籍の読書に馴染めていない私が聞いてきました。
講師はZONOSTYLEの倉園佳三さんです。
会場には、ドキュメントスキャナーや裁断機といった自炊ツールも並んでいました。
我々はなぜデジタル化をするのか?
倉園さんの自論では、人類全体で「何がデジタル化できなくて残るのか?」という面白い実験をしている途上。
その結果残ったことが、人として大事にすべきことなのではないだろうか。
それは、匂いや会って話を聞くライブ感、肌のぬくもり、愛情など。
Part 1 電子書籍で読書が進化する
その1 読みたい本をその場で買って読み始められる
テレビで見た本や友達のおすすめを次の日ではなく、その時に読める。
また、読んでいる本に引用されていて気になる本も。今この瞬間の「読みたい!」を実現することの大切さ。
★ これは私もiPhoneアプリの電子書籍を買った時に初めて感じたことです。Amazonからの宅配便の到着を待たなくても、その場で読書が開始できる。タイムリーさというのは、読書体験における大きな変化と言えますね。
その2 自分の好みにあった本を発見できる
本と音楽には「新しいコンテンツを見つけにくい」という共通の欠点がある。
どのフロアのどの棚にあるかは詳しい人が独占している。
本はパーソナルなメディア、見つけにくい。
電子化で入門者の門戸が大きく開く。
●レコメンド機能
この本の読者はこんな本も読んでいます。
好みの本がどんどん発見できる。
●シェア機能
気に入った文言をツイッター等で共有できる。
★名言の引用がなぞるだけでとても簡単にできるのですね。自分の読書体験を他の人にも容易にシェアできるのは良いですね。
その3 アウトプットにつながる「読書メモ」を簡単に作成できる
アナログでは付箋をつけたりするが、結局後から読むことはなかなかない。
ハイライトがそのまま読書メモになる。
後で使わなくてもハイライトやメモを付けたところは強く心に刻まれる。
やるだけで意味がある!
★Kindleだとハイライトやメモが残るので、私も本に書き込みをするのはためらわれる人間なので、デジタルならメモし放題というのは利点だと思いました。
その4 辞書や他のサイトとの連携で調べ物が簡単に
Kindleの辞書機能はなぞるとその場でポップアップが出る。
あやふやな単語もすぐに調べられる。
この機能が無い状態で本を読むのが辛くなるくらい。
KindleのWikipedia連携機能は、人名や専門用語を調べるのに便利。
翻訳機能もあるが、まだ精度は高くない。
★なぞって辞書はすごい欲しい機能です。Wikipedia も調べられて、本というよりウェブを見ているようですね。
その5 さまざまな新機能で読書がもっと楽しくなる
●読書の進捗機能
「本を読み終えるまで 1時間16分」と表示される。読書に取り組む心理的抵抗が少なくなる。
●ポピュラーハイライト
「14人がハイライト」のように、ここが見どころというのを本が教えてくれる。
●チャプターリストのようなX-RAY
単語の出現箇所を表示するグラフ。ジョブズ本の中でビルゲイツが出てくる箇所だけ指定して読むこともできる。
●整理しやすい本棚(コレクション)
1冊の本を複数のコレクションに入れられる。リアルな本棚ではこうはいかない。
●文字の大きさを自由にカスタマイズ
老眼でも本が読める
コミックスも読みやすく、4分割の拡大機能あり。
●音声読み上げ
一部の書籍ではプロのナレーターが吹き込んだ音声ファイルをダウンロードできるがこれはKindle Fire HDの機能。
★進捗機能は知りませんでした。まるでカーナビの予想到着時刻みたいですね。
Part 2 アウトプットを生み出すクリエイティブな読書術
その1 そもそも読書とは何か?
1冊の本には著者が数年、数十年かけて得た英知が反映されている。
つまり、本を読むということは、著者の「知と経験」を擬似体験すること。
本を読まなければ人の一生は70〜80年分。
本を読めば、人生の容量は無限に広がる。
つまり読書とは知と経験の共有
それをバトンタッチしよう
読書から生み出せるアウトプットとは
1. 自分でも本を書く
2. 仕事に活かす
3. 友人や家族に話して聞かせる
4. 自分の生き方に反映させる
1と2は限られた人だけができるが、3と4は誰にでもできる。
その2 アウトプットのための読書メモ
仕事=作品 どんな仕事でも作品になる。
与えられたものでも、自分で作り出すものに変えられる。
作品を創るために必要な2つの要素は「アイデア」と「情報」
アイデアは自分の内側から生まれるが、情報は外部から得られるもの。
今自分に足りないのはどちらだろう?
読書をしながら「アイデア」と「情報」をキャッチしよう。
ハイライト(情報)とメモ(アイデア)を活用しながら。
★ 自分に足りないものを考えながら読書から得られるものを最大化できたら良いですよね。
自炊実践体験コーナー
セミナー後半は会場の参加者が実際に本を自炊する体験コーナーでした。
最初に使用するのが、ハードカバーの表紙を切り取って外すための専用のハサミ。
結構大型のハサミで、女性でも厚い表紙が難なく切れてしまいました。
次は裁断機で本の背表紙をカットしました。さっくりと、これも簡単に裁ち切りました。
読み込みはドキュメントスキャナーで行います。
150ページくらいの本が数分で読み込まれてOCRの文字認識もできてしまいました。
★3分クッキングみたいな感じで、あっという間に自炊が完了してしまいました。敷居の低さを感じました。
おすすめアプリ
iPadで自炊した本を読むためのおすすめはこちら一択!との推しでした。
Dropboxに対応しているのと、余白カット機能がおすすめとのことです。
しおり機能はEvernoteに保存も可能という、読書メモが捗る機能もついています。
機器を買えない人でも自炊
これらの機器を揃えると8万円くらいしてしまいますので、いきなりそれは厳しいという方には自炊の代行サービスがあるそうです。
BOOKSCAN(ブックスキャン) 本・蔵書電子書籍化サービス – 大和印刷
本を送付すると電子ファイル化してマイ本棚に入れてくれるサービスで、読み込んだ本はきちんと処分してくれるとのこと。
Amazonや楽天からそのまま直送するのも可で、その場合物理的な本を送る手間が省けます。
感想
私がまだ体験していない読書体験を画面表示等で共有していただいて、「これはすごい!」と思いました。
プラットフォームとしての電子書籍は、読書という行為を更に向上させる色々な機能が盛り込まれているのですね。
単に本がすぐ読めるくらいの認識しかなかった私ですが、これは自分にも向いていそうと思いました。
読書という行為について色々と考えさせられた充実の2時間でした。
体験コーナー用の裁断機やスキャナーはご自分でスーツケースで持参したという倉園さんのサービス精神も素晴らしかったです。
d-labo
今回のセミナーの会場はミッドタウンタワー7Fという便利な場所にあるスルガ銀行の「d-labo」で行われました。
d-laboでは、バラエティに富んだセミナーを基本的に無料で開催しています。
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過去のイベントレポートも充実しています。
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