視線入力のFOVEを体験!次に来るのは脳波入力だと思ってたけどこれか…

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オキュラスリフト等のVRヘッドセットが盛り上がる中で注目株の「FOVE」を体験してきました!これから開ける未来が少し見えたよ。

新しいデバイスを体験しないと気が済まないしゅうまいです。今回はVRヘッドマウントディスプレイです。

VRヘッドマウントディスプレイは頭にかぶると目の前に映像が立体的に見えるもので、更に頭の動きに連動して、顔を向けた方向が見えるようになったりするものです。

ゲーム等の新しいデバイスとして開発者や技術者の間で盛り上がっていますが、だんだん一般人向けに遊べる機会も増えてきました。

この度、オープンプレスカンファレンスvol.2という6月30日に開催されたブロガー向けのイベントで、「FOVE」を実際にかぶって体験できる機会に恵まれました。

今回体験したFOVEは初めてアイトラッキングシステムを搭載したVRヘッドマウントディスプレイです。

先に体験の様子を書いてから、プレゼンの様子もレポしたいと思います。

FOVE体験

会場のDMM.makeで、1セットの展示がありました。
コンテンツの内容は、体験用にFOVE社内で作られた3Dシューティングゲームです。

これがヘッドセットです。(まだ開発中で製品版は違うところがあるかもしれません)

内側はこのような左右のディスプレイで目をフィットさせるとレンズの具合で映像がちゃんと見えるようになります。

視線をとらえることがとても大事なので、かぶった時に、中央に瞳孔が来るように調節します。
瞳孔が認識されているところです。ちょっとこわい画ですが。

ヘッドセットにはマジックテープで長さを調節できるゴムバンドが付いていますので、大抵の頭の大きさならかぶれると思います。いつも帽子選びに困る頭デカめの私でも大丈夫でした。
頭の上のバンドで頭頂部から釣り下げられる感じなので耳が痛くなることはなさそうです。

その次に瞳の位置のキャリブレーションがあります。
画面の隅の表示されるグリーンの丸を順々に見ていくと、画面に反映される入力位置の微調整がされるようになっています。(この映像がディスプレイをかぶっている人に見えています)

このプロセスはちょっと長くて、毎回遊ぶ前にキャリブレーションしたり、他のプレイヤーと順番を代わるときにまたやり直しになるのは面倒くさそうなので、将来的にはヘッドマウントディスプレイをプレイヤー人数分用意できるくらい安価なものになってくれたら良いのになと思いました。もしくはオートスキャンで自動的に計算してくれるとか。

そして、いよいよシューティングゲームを体験です。

自分の目で見つめたところに弾が発射されて打ち落とすと得点が入るというものです。
これが、今までに体験したことがない面白さで、まるで自分の目からビームが出て敵をやっつけているみたいな感覚です。
私はX-MENのサイクロップスになった気分で、オプティックブラストを発射しまくりました。

▼どんなゲームなのか動画です(表示されない場合はこちら
遊んでいるのは私の前に体験した方です

目を向けたら弾を撃てるというのが、そんなに精度が出るものか疑問に思う方もいるはずですが、これが意外とちゃんとポイントできるものになっています。
これは、任天堂のWiiが出て来た時に、あんな手で棒を振り回すリモコンで画面上を選択できるのかと思ったら意外と簡単にできたというのに似ているかもしれません。

また、ゲーム途中ではビルの上の方に敵が浮かんでいるので、顔を上げるとそちらの敵も撃てるようになりました。顔の向きも他社の機種と同じように認識します。

ただ、自分の場所は射的場みたいに固定のゲームでしたので、移動しながら撃ったらどのようなのかは他の本格的なゲームソフトの発表を待たなくてはならなさそうです。

なお、以前に体験したオキュラスリフトとの比較ですが、画面が3Dに見える具合はFOVEの方が目のピント合わせがしやすいように感じました。
オキュラスリフトはしばらく使っていると目頭の目の筋肉が疲れるような感じがしましたが、それがあまり無かったです。遊べた時間が比較的短かったためかもしれませんが。

では、体験パートの次はプレゼンパートです。私は視線入力の可能性を感じました。

FOVEの特徴などプレゼンから

会場のDMM.makeの様子です。ブロガーなど数十名が集まりました。

発表者はFOVEの金子大和さん

ゲームの世界で近年再び熱くなっているのがVR(バーチャルリアリティ)です。
1990年代にも任天堂の「バーチャルボーイ」などの割と失敗に終わったバーチャルリアリティブームがあったかと思いますが、今回のは360度の3D映像が体験できるヘッドマウントディスプレイおよびシステムが各社から出ていて時々ニュースにもなっていますよね。

既にオキュラスリフト(Oculus VR)、モーフィアス(SONY)、Vive(HTC・Steam)とありますが、これだけ既存機種がある中でなぜFOVEを出すのか、それは既存のVRに不満があるためと金子氏は言います。

ここで聴衆みんなでちょっとしたテストをしました。
スクリーン上の敵キャラを囲むように伸ばした手の親指と人差し指で輪っかを作ります。
そのまま、右目左目を交互につぶると必ずどちらかで輪っかから敵がずれることになります。

これが左右の目が離れているために起こるパララックス(視差)エラーというものだそうです。
これがあるために、既存のVRでは選びたい物を選ぶのも難しいのです。

そこでFOVEでは視線追跡型ディスプレイを作りました。
これで、どこを見ているかを3D空間の中で把握することができるので、例えば手が使えない状況で画面中のキーボードを選択するタイピングも可能になります。

VRとアイトラッキングを初めてかけあわせたことにより、色々な可能性が広がります。
FOVEが実現する5つの特徴です。

1.正確なコントロール
既に述べたとおり視線を計算することで細かい選択もできるようになります

2.非言語コミュニケーション
キャラクターとアイコンタクトを取れるので、それでストーリーを変えたりもできて、より人間っぽい反応ができるそうです。もし、ラブプラスVRとか出たら部屋から出ない男子もいそう…。
将来的には鼻から下のフェイシャルトラッキングも検討していて、自分の表情を生き写しにしたアバターが作れるということで、これもすごそうです。

3.VR酔いを減らす
既存VRの大きな問題として、顔の向きを変えるヘッドトラッキングは最初は感動するけど、すぐに気持ち悪くなってしまいます。その原因は画面の中央を見ている想定で作られているため、別のところを見ると酔ってしまうのですが、FOVEは目を動かすだけでよいので頭を動かす量が減りVR酔いを軽減できるとうたっています。

4.焦点演出でリアルな3D体験ができる
既存VRは画面の全部がクッキリしすぎて逆に不自然な状態です。視線があったところだけ焦点を合わせることで、一眼レフカメラで撮っているように他は少しぼけるという目で見ているのと似ている自然な演出にすることが可能となります。

5.コスト
ヘッドセットは数万円だけどハイスペックなゲーム用PCは数十万円もする高額なものです。これを、見ているところだけ高解像度にして他を低解像度にすることでレンダリングパワーを6分の1に節約できるかもしれないそうで、いずれはノートPCやスマホでも遊べるようになるかもしれません。

ユースケース紹介
FOVEはゲームだけでなく医療現場でもコミュニケーションツールとして使えるのではないかと考えていて以下のようなシーンも実現できるそうです。
・ALSの患者さんが目の動きで文字を選択して会話
・楽器をひいたことがない少年がピアノを奏でる

こちらは実際に骨髄性筋萎縮症の男の子が目でピアノを奏でてクリスマスの合唱に参加した時の動画です

練習すれば楽器を弾いて友達の歌に伴奏をつけることもできるんだという経験と自信をもたらすことがFOVEのテクノロジーで可能となった感動の動画です。

▼「Eye Play the Piano」プロジェクトについて詳しくはこちら
Eye Play the Piano

FOVEは2人で創業して現在は6人で、本社はサンフランシスコ&開発は秋葉原の2拠点体制です。
CEOの小島由香さんはマンガ家になりたかったそうで、起業の実録を漫画で連載しています。

起業は「つらたのしい」という実感がこもっていて続きが楽しみです。
起業実録漫画、はじめました。 – 家電・モバイル – 日経テクノロジーオンライン

連載になった経緯はこちらに詳しく
腐女子な起業家、ガチで漫画に懸ける – ウエアラブル – 日経テクノロジーオンライン

感想

FOVEの存在は知っていたのですが、他のVRと何がどのように違うのかまでは飲み込めていなかったので、実際に体験ができてようやく分かり始めました。ゲーム中で目で追ったとおりに弾が出る様子は横で見ていても本人にしか分からないので、自分でかぶって体験してみて良かったです。

私はちょっと前までは脳波推しで、次に来るインプットデバイスは脳波だと思っていました。
しかし、実際にKickstarterで脳波を測定できるヘッドバンド「Melon」を買って使ってみたところ、脳が集中しているかどうかなどは把握できるのですが、アルファ波が強くてベータ波が弱くなったということを測定できても、そこから先の細かい文字入力などは遥か遠い印象です。
しかも、Melonはブログ記事を書く前に故障してしまいまして、出資額がほとんどパァになってしまいました…。

現状のインプットデバイスはパソコンのキーボードからスマホのフリック入力になる変遷をたどり、若い人はキーボード入力ができずに入社してから困るという事態もあるそうです。
ここからの更なる進化で、視線入力が意外と使えるのは、本当に面白い時代になってきたと思います。

VRの方は、私は3Dが苦手だし角を2回曲がったらどちらから来たか分からなくなる重度の方向音痴なので、ゲームではボコボコに負けそうです。戦わないゲームを是非お願いしたいところです。

FOVEを入手&支援するには

FOVEは現在クラウドファンディング中です。 募集期間は終了しました!もちろんSuccessです。
▼詳しくはこちらでチェック
FOVE: The World’s First Eye Tracking Virtual Reality Headset by FOVE — Kickstarter

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未来について考えよう


私が最初に触れたアイトラッキング

この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

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