「この世界の片隅に」のん(能年玲奈)&片渕監督の舞台挨拶も聞いてきました #東京国際映画祭

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東京国際映画祭で観ました。舞台挨拶には、のんさんご登場!!

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アニメ映画や洋画の吹き替えに、あまり上手ではないけど話題作りに俳優・女優が起用されるのが好きではありません。
それ、他の声優さんの足引っ張ってない?みたいな違和感が苦手です。

でも、「この世界の片隅に」は、見終わった後では主役は、のん(能年玲奈)以外の誰も考えられません。

うまい下手とは別の次元の、この役にはこの人しかいない!というピッタリ感というか、表現が難しいです。
観たら分かります!

▼上映後の舞台挨拶(iPhone 7 Plusで6倍くらいズーム)

「この世界の片隅に」とは


こうの史代による原作コミックを片渕須直監督がどうしても映画化したいと企画。
資金の一部をクラウドファンディングで集め、当時国内最大金額(39,121,920円)を集めたことでも話題になりました。

舞台の中心は、戦中の昭和19年〜20年の広島県呉市。
主人公のすずは18歳で、それまで家族総出で海苔を作っていた生活から、海軍勤務の周作の妻に。
つつましくも温かい家庭が、だんだん激しくなる戦争で、暮らしぶりも変わっていき…
やがて昭和20年の8月を迎えます。

舞台挨拶から


スマホに急いで入力したメモなので一字一句はあっていないと思います。雰囲気で読んでください。

質問:この映画を作った理由は?
片渕監督:すずさんは当時18歳でお嫁に行きました。今生きていたら91歳です。
私の両親はこの時代はまだ子どもでした。この時代のことをもう知る人が少ないので、当時を想像するだけではなく確かな手応えとして感じたくて作りました。
両親がどう生きてきたのか知ると、やっと大人になれるという気がして。

質問:オーディンション参加依頼を初めて読んだときは?
のん:戦時下の時代を別次元と思っていましたが、そうではなく日常と隣り合わせで、毎日が必ず巡って来て、一生懸命過ごしているのを見て素晴らしい作品だと思いました。

質問:本作の声優の演技についてコメントは?
片渕監督:周作の細谷さんをはじめ、演技派の声優陣が集まっていると思います。
自然に存在しているように演じてもらいました。
難しかったのは広島弁・呉弁ですが、ナチュラルな広島弁を演じられたのではないかと。
のんさんは最もナチュラルに存在するすずさんに演じられていて誇らしいです。

質問:71年前を生きるすずさんを演じるに当たって何を?
のん:あからさまに戦争に嫌悪感を示すのではなく、目の前の毎日の暮らしを一生懸命生きるという部分を意識しました。

質問:音楽にコトリンゴさんを起用した理由は?
片渕監督:上映後なのでネタバレをおそれずに話せて嬉しいです。
原作には■■■■■■■■というシーンがあったが、それを音楽にしました。(ネタバレ防止のため伏せ字)

質問:全世界14カ国での公開が決定していますが、日本に留まらずに世界に広がっていく感想は?
片渕監督:「マイマイ新子と千年の魔法」は米国の映画祭に行きそこで質問がありました。
次はどんな映画を作ろうとしていますか?と聞かれ「1945年の広島です」と言うと質問者は息を呑みました。会場の他の人も。外国の方にとっても原爆などは周知のもので、皆の人類全体の悲劇ととらえられていると感じます。この映画で知ってもらえたらと思います。

質問:のんさんのお気に入りのセリフは?
のん:米軍が撒いた紙を(便所紙としての再利用のために)もんでいる時の「工夫して使い続けるのがうちらの戦いですけん」というところです

質問:最後にメッセージをちょうだいできますか
片渕監督:タイムマシンで当時に行ったような気持ちになれるものができたのではないかと思います。
タイムマシンで行った先にすずさんがいます。
毎日の暮らしをどんなふうに暮らしたのかのぞいて戻ってきてください。
のん:普通に日々をくらす、毎日が巡ってくる普通がいとおしくなる。
生きることに涙があふれてくる。その涙は悲しいものでなく何があっても生活を続ける力強さ。
ぜひ映画館に来てもらえたら。

感想


東京国際映画祭は事前のチケット予約にトラブルがあり、始まるまではやきもきさせられましたが、当日の入場などはスムーズでした。

作品の感想ですが「良かった」しか無いです。
雨脚も強かったため、ハンカチの代わりにタオルを持っていったのですが役に立ちました。

主人公のすずが、ちょっとボンヤリしたところもあって、自分が得意なこと以外ではおっちょこちょいの天然キャラなのですが、記号として作られたあからさまな天然ではなく本物の天然という感じのさじ加減で心地よく愛らしいのです。
これが、のん以外の誰もできなさそう、と思える最大の理由です。

戦時下の広島が舞台ではありますが、最初から悲惨で陰惨な場面が続くということではなく、日常が丁寧に描かれているところが、後半の敗色濃い日本に変わるまでの変化を浮きたたせています。
一般庶民で、普通ならドラマチックな展開も無い平凡な人間でも、戦争はその日常を奪っていきます。

私にも戦争を体験した祖父母がいましたが、4人とも既に亡くなってしまっています。
今の90代の方がこの映画を観たらどのような感想を持つのでしょうか。

映画「この世界の片隅に」は11月12日より全国の劇場で公開されます

映画公式ページ
11月12日(土)全国公開 劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」公式サイト

予告編

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この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

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