人工知能で未来のダイエットはこんなに進化する?!

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未来のダイエットは美味しいものを食べるだけ?今注目の若手研究者、石川善樹さんのお話を聞いてきました。

何度ダイエット記事を書いても成果がイマイチ続かないしゅうまいです。
なので「22世紀の健康はどうなっているのか?人工知能が描く未来」というタイトルに惹かれて六本木のミッドタウンにあるスルガ銀行のd-laboにお話を聞きに行きました。

中でも人工知能が今までに無いヘルシーな料理レシピを提案してくれるようになるというアイデアにワクワクしました。

石川善樹さんは東京大学医学部を経てハーバード大学大学院を修了され、現在ご活躍中の新進気鋭の研究者です。
現在は「最後のダイエット」という本が売れています。
その前に出した「友だちの数で寿命はきまる」という本も話題になりました。

今回はセミナーの中から健康とダイエットについてのパートについてご紹介します。

健康とは何?


20世紀初頭は、タバコは頭がスッとして健康に良いとされていました。
また運動はしない方が良いと思われていました。時代と共に常識は変わります。

健康=Healthは「Heal」の名詞形です。
これを福沢諭吉は最初に「精神」と訳しました。(「華英通語」)
HealはTo make whole:完全に調和された状態を指しています。

戦後になり、経済状況もよくなり寿命も延びました。
しかし、それにもかかわらず人生満足度は向上していないのです。

貧困と病気を克服したのに、幸せになっていない日本人。

21世紀における予防医学のグランド・チャレンジは「いかにして豊かに成熟していくのか?」であります。

健康寿命は広まったけど…


私は7年前に「健康寿命」を提唱して、今はとても広まっています。
しかし「長生きしたってしょうがない」と言われるようになっている面もあります。
これは、病気でも障害があっても幸せに楽しく暮らしているロールモデルが不在であるためだと思います。

朝ワクワクして目覚めて、夜は満ち足りた気持ちで眠りにつく。
子どもの頃はできていたはずなのに、できなくなっている人も多いです。

幸せって?


お金があっても必ずしも人は幸せになるのではありません。
大阪の200億円の資産家は、朝は絶望で目が覚めるそうです。そして人嫌いで誰とも会いたくありません。
実はお金がある人の夫婦仲はうまくいっていないケースが多いそうです。

都市化による肥満増加


現代はかつてないほどの人間が都市に住んでいます。
いかにして人類は都市という環境の中で衣食住を整えていったら良いのでしょう。

食事を例に出すと、都市化で肥満の人が増えています。
女性の社会進出が進むと自炊しなくなり加工食品が増えて太ることにつながります。

太る人は春から夏には体重が減ったとしても秋から冬で、それまで以上に体重が増えてしまいます。
私たちの体は食べなかったことを一生記憶していると言われています。

最古のダイエット


歴史をふりかえると、最初のダイエットを提唱したのはガレノス(129年頃〜200年頃)でした。
運動をして、お風呂で休養して、充分な栄養を摂るという3大要素は驚くほど今と同じです。
人類はダイエットに関しては2000年の間進歩がありません。

これは何か根本で間違っているのではないか?と考えました。

ダイエットを逆に考える


これまでのダイエットは
1)やせる 2)体重をキープする の段階を踏みます。
1)最初に大きな努力をして、2)次に小さな習慣を守ります。
でも、これだと成功率が低すぎます。

逆に考えると
1)小さな習慣 2)大きな努力 で痩せたままになります。
痩せたままでいるには、新しい習慣がワクワクするものであるかが重要です。

ダイエット成功のポイント


プロダイエットモニターの方に協力してもらいダイエットに成功しました。
毎日英単語を覚えるという習慣がずっと続いている女性の場合、英単語を覚えるのをエアロバイクを漕ぎながらやるようにしてもらい、それがちゃんと続きました。
植木に水やりをする方の場合は、水やりの時にスクワットをしてもらいました。

小さな習慣作りのポイントは
・生活リズムを整える
・既存の生活習慣に紐付ける
・習慣のスピルオーバー(波及効果)
です。

食べるもの・味覚について


ダイエットの本質ですが
・うまいものは太る
・ヘルシーなものはまずい
という法則がありますよね。

しかし、うまいものには2つあるのです。
「脂と糖」は脳に上昇系の刺激をもたらします
「うまみ(昆布や鰹節など)」は下降系の刺激です

脂と糖にまみれた味覚を、うまみで満足できるように変えるのです。
舌の細胞は10日くらいで生まれ変わっているので、味覚も変えられるはずです。

新しい料理の可能性


しかし、「脂と糖」と「うまみ」については中間地点のメニューがあまりないのです。
これを2つの間には広大な料理の可能性があるのでは?と考えました。

味は舌が3割、鼻から喉にかけての風味が7割と言われています。
そこで、パルメザンチーズの代わりに茶葉を使ったペペロンチーノを作ってみたところ、同じような満足感を得ました。

新しい料理の可能性ってどれくらいあるのだろう?
今の世界の料理は0.0000001%の料理しかまだ出会えていないという計算結果が出ました。

例えばラタトゥイユを進化させて和風ラタトゥイユを創作したシェフがいます。
フレンチは塩味を「足す」のですが、和食は野菜のうまみを引き出すために使います。
野菜は細さを揃えてシャキシャキの食感にしました。
日本人は味より食感で料理を感じるようです。
例えば、このステーキはやわらかくて美味しいねのようにです。やわらかいという味はありません。
外国人は●●な味がして美味しいと言います。

人工知能が創る料理


新しい料理を作るには、食材と人工知能から新しい美味しさを導き出します。
IBMの人工知能ワトソンで全く新しい料理を作るという「シェフワトソン」を開発した研究者がいます。
ただし、ワトソンのメニューは「脂と糖」がベースの料理になってしまっています。

自分たちは新しい料理を作りたいので、新しさという定性的な概念をいかにして数式で表現できるか?を考えました。

今作っているのは、ヘルシーでおいしい料理を作る人工知能や、冷蔵庫にあるものを使ってレシピを自動生成してくれる人工知能などです。

人工知能と人間の未来


人工知能は人の仕事を奪うなどと言われていますが、人とタッグを組んでいくことが重要と思います。
自然界が偶然に新しいものを生み出すように、創意工夫の回数を増やせるかがポイントです。

また、どんな趣味があっているか教えてくれる人工知能など、人間の生活をより豊かにしてくれるものも出てくるでしょう。

感想


もう聴いていて興奮が止まりませんでしたよ。
ダイエットにも人工知能による革新がもたらされれそう!ということが分かりました。

人間が今までに料理してきたレシピは組み合わせのほんの一部でしか無いのです。
美味しく出来たレシピはそのまま引き継がれて、わざわざ美味しくなくなるかもしれないレシピを試す人はあまりいません。

人工知能にはそういう躊躇はありませんから、誰も考えつかなかったような奇抜な組み合わせから美味しくてヘルシーなレシピが誕生するかもしれません。
そうしたら、美味しい物を食べているだけで痩せられるかも…。

それって何というパラダイス!
これは、国が国家予算を投じてでも進めて欲しいプロジェクトです。

全体的に石川善樹さんの研究者としての情熱と着眼点の素晴らしさが感じられる講演内容でした。

なお、ネプリーグの「ハイパーインテリSP」に東大チームとして出場されたそうで、その模様は9月21日(月)夜7時にフジテレビ系列で放送されます。

関連書籍


前述したダイエットの習慣化など詳しくはこちらに

「友だちの数で寿命はきまる」という本も出されています

この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

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