新しく予測された「日本で10年後になくなる可能性が高い職業」は?

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オックスフォード大学の有名な調査の「日本版」を算出した方がいます。職業の未来を考えてみましょう。

イギリスのオックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究をしているマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文は、一般人にも有名になり、2014年11月ごろにウェブをかけめぐりました。

こちらの記事を読んだ方も多いでしょう。

参照:オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった  | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

この論文は、702の職業について、将来的にロボットやコンピューターのような人間ではない存在に取って代わられる確率を計算して導きだしたものです。

これは、ひとつひとつ全部を人間が勘や経験で判断したわけではなく、その職業がどういうものかをパラメータ化した数値を元にコンピューターによる計算で判定したものです。

用いられた手法は「教師あり学習」という機械学習で、事前に与えられた正解のデータを例題として「何を入れたら何を出すか」を機械化(関数に)して、それで計算して答えを求めるものです。

つまり、同じようなデータがあれば、日本の職業についても算出することができます。

と言ってもそんなに簡単ではないと思いますが、それをやってのけた方がいます。
東京大学の深澤祐援さんです。

「先の論文で示されていたものの中から、なくなる可能性が高い職業と低い職業をそれぞれ50個ずつ抜き出し教師データとしました。」ということで…

結果は「約63%の職業が人工知能、コンピュータに取って変わられる可能性が今後高い」となりました。

詳しくはこちらの記事にて公開されています。
日本版・10年後なくなる可能性が高い職業とは(前編) | Credo
人工知能とうまく付き合ってくために人間に必要な要素を考える:日本版・10年後なくなる可能性が高い職業とは(後編) | Credo

例えば、この調査では「警察官」が2つの手法のうち片方で「Computer」と判定されていますが、オックスフォード大学の調査をしたオズボーン氏も「警官の人数も減らせるかもしれない」と指摘しています。

これは、別に映画のような「ロボコップ」がすぐに実現するというわけではなく、過去の犯罪データや監視カメラなどのビッグデータから犯罪が予測できるようになるという面を言っています。

実際に犯罪を予測しているサンタクルーズ市の例です。
ビッグデータで犯罪予測、治安を改善したサンタクルーズ市の挑戦 日経トレンディネット

このように消える職業と言っても、いきなり全員がスパッといなくなるわけではないと思います。

が、「この先どうなるんだろう」と考えるためのヒントとして調査結果をよく見てみましょう。

人間がやる職業と判定されたものの例(一部)


アナウンサー … 緊急ニュースも入る中で即時の判断が必要ですものね
アニメーター … 薄給で有名となりましたが機械化難しいみたいですよ
エステティシャン、はり師・きゅう師 … ロボットに施術されてもリラックスできなさそう
絵本作家 … AIのワトソンは創作レシピの次に絵本を作ってみてよ
画家 … 職業としては安定だけど売れるかどうかは個人の才能と機会によるかな
観光バスガイド … Pepperがやってるところ見たいけどヤツは段差のあるバスに乗れない
気象予報士 … これちょっと予想外で他の士業が軒並み機械化なのになぜなんだろう
キャリアカウンセラー … Pepperに相談する気にはなれない
広告ディレクター&広告デザイナー … 最も人間心理を知っていないといけないからかな
コメディアン … そりゃそうだよね
作詞家 … AIが作った歌詞を見てみたい気もするけど
産婦人科医&助産師 … 機械化するという考えすら思いつかん。他でも専門医は人間。
システムエンジニア … ほっと胸をなで下ろす人も多そう
宗教家 … まぁ、そうですよね。カリスマロボットが爆誕するとしても人間が要る。
スタイリスト … センスが必要なものはそうですよね
通訳ガイド&通訳者 … 機械翻訳では当分無理?
ディスクジョッキー … ヘイ!DJ!
哲学者 … 我考える故に我あり。でもコンピューターも考えていると言えなくはない。
トラベルライター、フリーライター … 新聞記者(後述)は消えるのに
ネイル・アーティスト … ネイル用3Dプリンターが普及する私の予想が覆った。図案考える方かな。
バーテンダー … これはずっと残るだろうなぁ。残って欲しい。
ピアニスト、ピアノ調律師、ミュージシャン … ピアノや楽器関係は安泰?
評論家 … AI:「この映画は32.45%がカーチェイスで会話の時間が少なく人間ドラマに欠けます」腹立つわー
ファッションデザイナー、フラワーデザイナー … デザインは創造力が必要
舞台演出家、舞台美術家 … 舞台も物理的にあるものでアートですからね
物理学者、その他学者 … 研究対象を考えたり仮説を立てたり
弁護士 … 成歩堂BOT使用料1回5万円、使いません
保育士 … 子育て系は機械化難しいですよね
放送ディレクター、報道カメラマン、放送記者 … メディアも発信側は代替しにくい
マンガ家 … わー、よかった。
メイクアップアーティスト … メイクを吹き付ける機械を開発という記事見たことあるけど受けなさそうよね

明暗分かれるものの例


human:ゲームクリエーター 対 computer:ゲームセンター店員
human:歯科医師 対 computer:歯科技工士
human:ソムリエ 対 computer:コック
将来だいたい行く方向を決めていたとしても、作業の内容を吟味してみよう。

あれ?安定と思っていたのに消えると予測される職業


行政書士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士、税理士、通関士 … 士業も大変ですね
銀行支店長&銀行窓口係 … 窓口係だけかと思ったら支店長も!倍返しできない
航空管制官 … 昔ゲームでやったけど超大変だったよ?
コック … ん?創作せずに調理のみに従事する人のことかな
コンパニオン … え!?車の横にロボットでカメラマンが飛びつくとでも?私は飛びつくが
電車運転士、路線バス運転者 … 子どもの夢が壊れそうだが、こんな時代ですいません
動物園飼育スタッフ、ペットショップ店員 … 子どもの夢がその2

消える?伝統の職業


豆腐職人、とび、みそ製造工、野菜つけ物工、屋根ふき工、和菓子職人、和裁士
後継者はセンサーやロボット…。
ロボットにコツを教えられるインタープリター役の伝達者は貴重になるかも(まだ無い職業!)

いや、それは違わないか?


computer:新聞記者 … 一部の記事を自動生成で作っている新聞社はあるけど全部は無理でしょう
computer:結婚式場スタッフ … 気配り的なものを機械がやってくれるのかなぁ
computer:消防士 … これは警察官と同様に火事の予測がある程度ビッグデータから可能という意味かな?
computer:葬祭ディレクター … 人間心理が分からないと難しそうだけど
computer:ホテル・旅館支配人 … チェーンだったら仕方無いけど支配「人」だよ?
computer:リフレクソロジスト … 足だけだと機械化可能で全身だと無理なのが良く分からん。癒されない。
computer/human:俳優 … 片方の計算方法が機械と判定。3DCGが取って代わっているのは分かるけど。
human/computer:モデル … まさかジェミノイドやなんちゃらドールが進化してモデルに?
human/computer:料理研究家 … ロボット化された平野レミがブロッコリーを立てまくる?

なお、もう一度掲載しますが、職業が消える・消えないの判断は、数字のデータを元に計算して統計学的に求められたもので、必ずこのとおりになるというわけではありません

目指している職業が計算上は消えるとされていても、その中で創造性を発揮すれば良いだけと思います。目指したいという気持ちの方が大切です。
ただ、どんな作業が機械化されうるか(=自分が楽をできるか)は、一度考えてみるのが良いかなと思います。

当記事で参照したデータの算出方式など詳しくは以下の記事をお読みください。というか必読。

日本版・10年後なくなる可能性が高い職業とは(前編) | Credo
人工知能とうまく付き合ってくために人間に必要な要素を考える:日本版・10年後なくなる可能性が高い職業とは(後編) | Credo

更に気になる方のために…

こちらは日本の有識者が人力で選んだ無くなると思われる仕事です。
4ページと5ページに表が掲載
知ってましたか これが2020年のニッポンだ - わずか7年後、この国はこんなに変わる あなたの会社は消えているかもしれない「生き残る会社」と「なくなる仕事」教えます  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

【追記】
この記事を書いてから半年遅れること2015年12月02日に野村総合研究所からも同様のレポートが発表されました。
日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に | 野村総合研究所(NRI)

おわりに


消える職業があるということは、まだ生まれていない職業もたくさんあるんですよ!
これから来る、新しくて面白い仕事はあなたが作るのかもしれません。

全体を通して「創造性」が人間側に判断された職業の共通点だと思います。

昔だったら「そんなセンスだけで食べていくなんてやめなさい!もっと堅いところを」というところを、
これからは「センスを磨いて!創造力を伸ばしなさい!もっとやわらかく」かもね。

なお当ブログは2045年から「しゅうまいロボ」が自動更新いたします。

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この記事を書いたのは

しゅうまい(@shumai)です。 新しいこと楽しいこと不思議なこと、わくわくすることが大好きです。iPad Pro+Apple Pencilでの手書きメモがお気に入り。→ 詳しいプロフィール

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