第19回文化庁メディア芸術祭が今年も面白い!
今年も文化庁メディア芸術祭が2月14日まで開催されています。その中から印象に残った作品を中心に紹介します。
(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合
同性婚について取り上げたアートで、女性同士の遺伝子情報から、もし子どもが生まれたらこんな感じというのを再現しています。
(写真が見切れてしまっていてすいませんが、左端と右端の女性の間に子どもが2人という図です)
私も自分の遺伝子検査をやってみたことがあるのですが、顔のパーツを特徴付ける遺伝子の項目というのが存在していて、髪の毛や瞳の色や虹彩の模様の傾向まで分かっちゃうんですよ。
作品では「普通に家庭内で遊ぶ子どもと親」のような日常的シーンが展開されていて、これが望んでも得られないカップルもいるということを、まざまざと突きつけられました。
▼詳細情報
(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合 | 第19回文化庁メディア芸術祭
正しい数の数え方
毎日15時から16時の1回公演(金曜日だけ18時から19時の2回目あり)ですが必見です!
30分前くらいから整理券を席の数だけ配りますので、まずは整理券をゲットしてください。
時空を超えるキャラクターが登場して、舞台はタイムスリップしてパリ万博に。
途中では観客席も巻き込まれてしまい、色々な仕掛けがあります(お楽しみのため内緒にしておきます)
古い手法から最新の技術までを渾然一体にしつつハートウォーミングで素敵な舞台と映像作品です。
▼詳細情報
正しい数の数え方 | 第19回文化庁メディア芸術祭
ほったまるびより
映像作品の中で最も五感に訴えかけられた作品がこちらです。
トークイベントで選考委員の米光一成さんも「とてもフェティッシュだけどさわやか」と述べられていました。
家の中で、人間以外の妖精のような存在として舞い踊る4人の女の子たち。
互いの体臭を嗅ぎ合ったり、人間が生活していて落とす爪や足の皮を拾い集めたり、ドキドキするような描写が続きます。
「音」も特徴的で、たぶん物体から直接振動を撮れるマイクを使っていると思うのですが、物を擦るような音までリアルです。
とても不思議な世界を堪能できます!
▼詳細情報
ほったまるびより | 第19回文化庁メディア芸術祭
Thumper
かっこいいゲームの展示です。SteamとPS4で販売予定。
音ゲーリズムゲーの範疇なのですが、「リズム・バイオレンス・ゲーム」と題するだけあって、没入感やクールさがすごいです。
一方、ゲーム内容は、結構タイミングがシビアで、プレイしてみましたがあまり先には進めませんでした。
腕に覚えがある方はチャレンジしてみて。
▼詳細情報
Thumper | 第19回文化庁メディア芸術祭
group_inou 「EYE」
Googleストリートビューを活用したミュージックビデオです。
世界中の風景の中を、合成されたアーティストが歩き回るというものです。
会場では画面の外の部分も見ることができます
▼動画はYouTubeで見られます
1コマずつ丁寧に作られており、作り方は公開されています。ソースコードはGitHubに。
Behind the Scene – group_inou “EYE” | 麦(Baku)
何でもブラウザから見られてしまう時代の「旅」って何だろう?と考えさせられました。
▼詳細情報
group_inou 「EYE」 | 第19回文化庁メディア芸術祭
▼こちらのインタビューも
Google Street Viewを使った爽快で楽しいgroup_inouのMV「EYE」!監督を務める橋本麦&ノガミカツキにインタビュー! | white-screen.jp
Rhizome
こちらも感覚がチリチリするような映像です。
細かいパーツから成る、延々とした繰り返しの動きが連なります。
言葉で表現するのが難しいのですが、モゾモゾする影像作品です。
画面の中でどこを見ていたらいいのか、正解も分かりません。
▼詳細情報
Rhizome | 第19回文化庁メディア芸術祭
YASKAWA×Rhizomatiks×ELEVENPLAY
工業用ロボットと人が共演するダンスパフォーマンスです。
ロボットの動きって人間っぽいところもありますよね。
▼動画はYouTubeで見られます
▼詳細情報
YASKAWA×Rhizomatiks×ELEVENPLAY | 第19回文化庁メディア芸術祭
2.5次元マスク
紙に印刷して組み立てるだけで、アニメ顔のマスクができるというペーパークラフト作品です。
これをかぶれば、誰でも匿名の存在になれます。
ツイッターでも発信中
本日2/3-2/14国立新美術館#2_5Dmask #メディア芸術祭 pic.twitter.com/Abinpa58e0
— 2.5次元マスク (@2_5Dmask) 2016, 2月 3
▼2.5次元マスクの作り方など情報ページ
2.5D Mask
▼詳細情報
2.5次元マスク | 第19回文化庁メディア芸術祭
口先番長VS
そして、私が大好きなゲーム「口先番長VS」も、審査委員会推薦作品に選ばれており、会場の端末で遊べるようになっていました。前作の「口先番長」に引き続き2年連続の選出です。
言葉のパズルゲームとして非常に完成度が高く、自分が好きな言葉で格闘して相手を倒せるのは興奮しますよ。
招待コード「 61017416 」を入力すると「本気のダイヤ10個」がプレゼントされます!
▼iOS版
口先番長VS【しりとり格闘】
価格: 無料 (価格は変更になる場合があります)
▼Android版
▼詳細情報
口先番長VS | 第19回文化庁メディア芸術祭
イベント情報
文化庁メディア芸術祭は会期が短いです。
確実に行けるように予定に入れちゃいましょう。
会期:2016年2月3日(水)~2月14日(日)
時間:10:00~18:00(金曜日 ~20:00) ※入場は閉館の30分前まで ※2月9日(火)休館
会場:国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、スーパー・デラックス、セルバンテス文化センター東京
入場料:無料
公式ページ
第19回文化庁メディア芸術祭
場内で配布されるガイドブックを事前にPDFでチェックできます
第19回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展ガイドブック