映画「ザ・サークル」で改めて考える、いいね!のために生きてない?
「ザ・サークル」を一足お先に観てきました!日本語のコピーは「いいね!のために、生きている。」というSNS依存の現代人を皮肉るうまい表現です。この映画、それだけでは終わらないのですが…。
今回は、GAGA試写室にて10月24日に開催されたブロガー向け試写会に参加しました。
試写後にトークショーもありました。
「ザ・サークル」はどんな映画
ストーリー
世界一のシェアを誇るSNS企業「サークル」に勤めることになったメイ(エマ・ワトソン)。サークルの経営者ベイリー(トム・ハンクス)は、オープンでシェアし合う社会を理想としていた。ある日、新サービスが発表され、メイは自らの24時間をネットワークで全世界に公開するモデルケースに選ばれる。すぐさまメイは1,000万以上のフォロワーに注目されるようになるが……。
公式の説明を読むだけでは、24時間を配信するというリアリティショーだけのお話のようですが、それだけではありません!
予告編ではあまり触れられていないところもありまして、事前の予想よりスケールの大きな話でした。
みどころを全て予告編に出し切ってしまっている映画ではないです。
単純に、「SNSってこわいねー」で終わらない内容です。
トークショー
ゲストに作家でブロガーのはあちゅう(@ha_chu)さんと、映画ソムリエの東紗友美(@sayumisaaaan)さんを迎えての感想トークがありました。
司会は私がメルマガ「Edge Rank」でもご一緒している、また、「シネマズby松竹」編集長でもある映画大好き人間な柳下修平(@shuhei0919y)さん。
この3名とも、SNSやブログを活用しているという、映画の内容が良く分かるであろう方々です。
東さんはSNSの良いところも悪いところも扱っていて「バランスが良い」との感想。
はあちゅうさんは、メイ(エマ・ワトソン)が、最初はソーシャル初心者っぽいところから変化するところが印象に残ったようです。
トーク中で女性二人の暴露話もありました。
東さんは元カレsを検索してFacebookでストーカーして「お誕生日おめでとうメッセージを誰に言われているかチェック」したことがあるのだそう。
はあちゅうさんも元カレや昔のクラスメイトを検索するけれども「検索に出て来ない人が気になってしまう」という心理を吐露。
皆さん、自分の名前で検索してみましょうね!
それから参加者のインフルエンサーを巻き込んでのQ&Aでは、群集心理や正義感の怖さといったものを感じた人が多かったようです。
あと、本当の民主主義は「99:1」の1の少数派の人でも発言できるものでは?などの指摘も。
また、メイ(エマ・ワトソン)のスピーチは堂々としていたが、実際に国連などでのスピーチ経験があることや、ベイリー(トム・ハンクス)のプレゼンは態度は自信満々だけど中身は大したことは言っていないよね、という「プレゼンテーションに関するヒントになる」という意見もありました。
感想
冒頭でも述べたとおり、予告編よりたっぷりな内容で面白いです。
サークル社はアップル、フェイスブック、グーグルを一つにしたような企業で、その「ありそうな」感じの再現性も素晴らしいです。
広々とした「キャンパス」に、円形の建物に、福利厚生ではドッグヨガまで。
オフィスの椅子にバランスボールを使っている人もいます。小ネタたっぷりめです。
サークル社が純粋な悪の組織というわけでもなく、根っこにある愛情深い動機など心理面も描かれます。
ただ、ソーシャルネットワークサービスを使うのは人間ですから、結果として何でもエスカレートしがちです。
シェアしすぎ社会の気持ち悪さは存分に表現されています。
また、私がこわいと思ったのは一極集中です。中央集権型にした場合、一企業が暴走したら大変です。
現実社会では、アップルだけでなくマイクロソフトもという具合に完全な1社独占は避けられていますので良かったですが…。
この映画は、普段ツイッターやインスタグラムなどのSNSを使っている人は漏れなく楽しめると思います!
更に、思いもよらないチャンスが来て人生があっという間に変わる気配に敏感であるようにという、希望のメッセージも隠されている気がしました。
そして、綺麗なことを言って無茶振りしてくる経営者のことは疑え!(笑)
▼映画公式ページ
映画『ザ・サークル』公式サイト
▼予告編
▼原作本は文庫化されています。表紙を横に並べるとCircleに!
音楽も雰囲気に合っていて良かったですよ!私はさっそくSpotifyで聴いてます。
▼サントラ試聴(Apple Music)
Danny Elfman「The Circle (Original Motion Picture Soundtrack)」を Apple Music で
▼サントラ試聴(Spotify)
11月10日(金)より公開です。劇場で是非どうぞ。