コインがもらえる位置ゲー「ビットにゃんたーず」とトークンエコノミー #ビトにゃん
スマホのGPSを使った、特定の目的地に行って何かをするゲーム=位置ゲーにニューフェースが登場しています。スポット巡りでウォーキングを楽しみながら行え、スポットの申請ではコインをもらうことができます。
4月9日にNeutrinoで「ビットにゃんたーず」のリアルワールドゲームス主催のイベントがありましたので参加しました。
歩くインセンティブとしてのトークンの扱いについて、リアルワールドゲームスのアドバイザーをつとめる法律・税務・経済学のスペシャリストからのお話を聞くことができました。
ただ単に”仮想通貨がもらえるゲーム”だとあやしいなと思う方でも、しっかりと日本の各規制を考慮しつつ、日本人の健康問題・医療費削減に寄与したいという前向きなプロジェクトであることが理解できると思います。
ビットにゃんたーずとは
地図上に現れる「ネコスポット」を訪れてタッチすることでアイテムやゲーム内ゴールドを集めたりできる、健康的な徒歩を促すゲームです。ネコスポットはユーザーが申請・承認する、小さな観光案内や街中のユニークな目印を他の人に教えてあげるといった役割のある場所のことです。イングレスのポータルやポケモンGOのポケストップに相当します。
▼渋谷駅周辺は既にスポットが多数
ネコスポットの申請で「アルクコイン(ARUK)」(ERC20トークン)に引き換えられる「ネコイン」をもらえます。
このプレイヤーの作業によりコインが付与されることを「Proof Of Walk」と名付けています。
(ビットコインの「Proof Of Work」と似せてあり、歩くことがマイニング行為であると位置づけてあります)
詳細はプロジェクトペーパー参照:アルクコイン プロジェクトペーパー
なので、イングレスでポータルをたくさん生やしたことがある人や、逆に最近始めて既に申請するスポットが何も無い人は、ビットにゃんたーずに向いていると思います。是非マイネコスポットを生やしましょう。
(なお、個人的なリクエストですが、夜景スポット以外では夜間の真っ暗な写真はやめて昼間の綺麗な写真にしてくださるようお願いします。まだ写真の差し替え機能が無いので暗いと何だか良く分からず残念です…。)
▼ビットにゃんたーずのダウンロードは公式ページから(Android/iOS)
ビットにゃんたーず
コインと役割
アルクコインはイーサリアムのERC20トークンで、ゲームアプリ内のウォレットに入ります。将来的に使える店舗ができたり、どこかの交換システムで他の仮想通貨と交換できるようになる場合にはアルクコインが外の世界に出して使えるコインです。
ネコインはゲーム内で付与されるポイントみたいなもので、貯めるとアルクコインに交換ができます。この交換は一方向のみです。
ゴールドはゲーム内で使えるバーチャルなものです。おそらく今後ゲーム内の着せ替えなどに使えるのではないかと思われます。
3名の専門家が集結
こちらはパネルディスカッションの様子です。左から溝口哲郎教授、弁護士の松永昌之先生、税理士の柳澤賢仁先生、リアルワールドゲームスの岡部典孝CTOです。会場は渋谷のブロックチェーンに特化したコワーキングスペースNeutrino。
アルクコインの法的位置づけ
まず法律面でのお話を弁護士の松永昌之先生がされました。
日本の法律では仮想通貨については、法定通貨での売買および仮想通貨同士の交換について規制があり、業として行う場合には登録が必要です。
また、ICO(発行したコインを売って資金調達)も交換業ではない業者がすることは違法です。
ただし、アルクコインは無償付与のため仮想通貨交換業登録は要らず、持っているだけで配当がもらえるトークンにも該当しないために法改正の影響も無しとのことでした。
こういう形態でのコイン配布は大がかりな体制が必要な交換業ではなくても可能というのは、良い方向性だと感じます。
ICOをして大金を集めたのに何年も何の成果も無いコインより、ゲームで遊べて楽しめる手軽なコインが存在可能なのは正しいと思います。
税務から見たアルクコイン
次に税理士の柳澤賢仁先生より、財務面の説明がありました。
スタートアップではビジネス・リーガル・タックスの三者がしっかり協業して整理することが大事で、今回は6パターンの方法で取引されると整理したそうです。(詳細はプロジェクトペーパーに)
アルクコインが無価値のうちはもらった人も課税はされず、今後上場されたら儲けには課税の可能性はあるとのことでした。
既に国税庁のガイドラインでハードフォーク時に得られたビットコインキャッシュのようなコインは0円で取得したということになり、それを売って利益が確定されるまでは課税対象にならないことが書かれています。
将来の税制について、現在は仮想通貨同士での交換は原則として雑所得になっていますが、自民党の税制改正大綱では「雑所得および事業所得」となっていて、将来的な改定で「譲渡所得」になってもおかしくないと考えている人もいるそうです。
アルクコインとトークンエコノミー
経済学者の溝口哲郎教授からは行動経済学のお話がありました。
日本の課題として社会保障費の増大が挙げられ、医療費や介護費が少子高齢化により増大していくことが予測されています。
そのため「予防医療」の促進がとても大事になってきます。
ビットにゃんたーずは行動経済学的には「内発的モチベーション」「外発的モチベーション」を促す(ナッジ)効果が組み込まれており、自然と歩きたくなるように設計されています。
また、ネコスポットの価値はプレイヤーが時間や交通費を掛けて行っている行動に基づき、まだ始まったばかりなのでネコスポットが上限に達するにはまだまだ足りません。
アルクコインはイーサリアムのERC20トークンで実装されているため、例えば地域デジタル通貨との連携もすることが可能です。
ユーザー数が増えるほどネットワーク外部性の効果が生じるために、プレイヤーは一緒にアルクコイン経済圏を成長させていく仲間であるという認識だそうです。
プレイヤーと盛り上げるというのはイングレス育ちのプレイヤーとして参画されており、リアルワールドゲームスと出会ったのもイングレスのエージェント名で知っていただけの関係からという、位置ゲーマーとして心強いアドバイザーだなと感じました。
歩いたことは無駄にはならない
値段が上がりそうなトークンにお金を投資するのと、歩いてトークンをゲットすることのどちらが確実でしょうか。
例えアルクコインの価値が思ったより上がらなくても、はたまた貨幣経済が終わろうとも、人間が健康であることの価値は無くなりません。
ネコスポットを訪れたり申請したことは思い出に残ります。
というわけで、ドワンゴの「テクテクテクテク」が6月17日に終わってしまうテクテクロスを埋めたいです…
私はマイペースにできるソロ活動の位置ゲーが最も好きなのです。
▼ビットにゃんたーずの雰囲気がわかる公式動画
▼ビットにゃんたーずのダウンロードは公式ページから(Android/iOS)
ビットにゃんたーず
※自宅の周りにばかりネコスポット申請するなどの自宅バレにはお気を付けください。在宅で回したくなるのはスポットが増えるまでしばらく我慢w